#15 LPGのサンプリング方法 (スリップチューブ式ボンベ)
今回はLPGをミニボンベにサンプリングする方法を解説する。
目次
2-4.空ボンベの重量を測定し、計量器が正常であることを確認する。
2-8.①バルブ開後、②バルブを少し開け、その後③バルブを開ける
過充填の場合
過充填でない場合
2-15.③バルブを閉止し、サンプル口とボンベの接続部を外す
2-16.①バルブを閉止、②バルブを開け、配管内を脱圧後に②バルブ閉止する
1.LPGのサンプリング方法
ここでは具体的なLPGのサンプリング方法を作業手順に沿って解説していく。
基本的なサンプリングについて知りたい方は
2-1.サンプル名等を明確に表示する
現場では、複数の場所や、複数の流体を対象にサンプルを採取することもよくある。
その為、サンプル採取前には必ずサンプルボトルやサンプル瓶、注射器等に札を付けたり、記名すること。
そうしないと、後から、どれがどのサンプルかわからなくなり、測定データ間違いや、誤ったサンプルを提出してしまうので、注意しよう。
2-2.専用ボンベか確認する
出典:https://www.marue.com/lp-gas.html
サンプル名を表示したら、ボンベまたはシリンダーの設計温度、設計圧力が
これからサンプルを取るプロセス流体より高いことを確認する。
また、ボンベまたはシリンダーは減圧にされ、内部のガスが排出されて
いることを確認する。
また、ボンベ、シリンダーには図のようにスリップチューブ式と
通常のタイプが存在する。
スリップチューブの詳細図はこちら
2-3.外観上ボンベに損傷がないことを確認する
専用ボンベであることを確認したら、外観上ボンベ、シリンダーに損傷が
ないことを確認する。
2-4.空ボンベの重量を測定し、計量器が正常であることを確認する。
ボンベ、シリンダーに異常がないことを確認したら、ボンベのから重量の確認と
秤が正常であることを確認する。
まず、秤の針がきちんと0をさしていることを確認する。
少しでもずれている場合は0点調整を実施すること。
少しでも充填重量が変われば、LPGの過充填の原因になる。
次に、ボンベのから重量を測定する。当然だが、ボンベには
ボンベ自体の重さがあるので、事前にボンベの重さを測定しておかないと
後からいくらボンベにLPGを張り込んだかわからなくなるので、
必ずボンベから重量を測定しよう。
2-5.サンプリング設備内の液置換を行う
液の張り込み方法は、各プラントのサンプラーの構造によるが、
元もとサンプラー内に残っている古い液体やガスをしっかりとフレッシュなものに
置換すること。
そうしないと、後で正しいサンプル結果が出ないことがある。
そのままサンプルを提出すると最悪の場合、規格外れ品を
オンスペック品として、出荷してしまうこともあるので
サンプラーは十分に液置換を行うこと。
2-6.サンプル口にボンベを接続する
サンプラーの液置換が完了したら、サンプルラインとボンベを接続する。
この際に金属製のチュービングやフレキシブルホースを使うこと。
LPGが流れた際にホースのLPGが気化し、蒸発潜熱により
ホースが凍ることもある。
もし設計圧力の問題ないゴムホースを使用していたとしても
設計温度以外の領域でホースを使用する可能性が出てくるので、
必ず金属製のチュービングやフレキシブルホースを使うこと。
2-7.計量器にボンベを載せて重量測定を行う
サンプルラインとボンベを接続したら、秤の上にボンベを載せる。
2-8.①バルブ開後、②バルブを少し開け、その後③バルブを開ける
サンプルラインとボンベを接続したら、①バルブ開後、②バルブを少し開け、
その後③バルブを開け、リークテストの準備をする。
2-9.接続部より漏れがないことを確認する
リークテストの準備が完了したら、接続部からもられがないことを
確認する。もれがある場合は直ちにバルブを閉めて、
まし締めや、接続部を接続し直す。
2-10.④バルブをゆっくり開ける
接続部より漏れがないことを確認したら、④バルブをゆっくり開け
ボンベにLPGをゆっくり張り込んでいく。
バルブ操作をするときは絶対に現場を離れないこと。
どうしても現場を離れる必要がある場合はバルブを閉めて、
作業を一時中断してから現場を離れること。
2-11.計量器を監視しながら、規定量まで充填する
④バルブを開けたら、計量器で重量を確認しながらサンプルを採取していく。
この時バルブを少しずつ操作したり、重量の上昇速度に応じて
④バルブのバルブ開度を調整すること。
サンプル完了間際までがサンプル速度が速いと容易に規定量を
オーバーするので、規定量の少し手前で、④バルの開度は絞り始めること。
2-12.④バルブを閉める
サンプルを規定量採取したら、④バルをゆっくりと閉める。
2-13.過充填になっていないか?
過充填の場合
過充填の場合は、ボンベ内のLPGをフレアーに脱圧する。
過充填でない場合
過充填でない場合は「2-14」に進む
2-14.②バルブを閉止し、サンプリングホース内を脱圧する
サンプルの採取が完了したら、②バルブを閉止する。
その後サンプルラインとボンベを切り離すためにサンプリング
ホースを脱圧する。
接続部の脱圧操作に関しては
を参照する↓
2-15.③バルブを閉止し、サンプル口とボンベの接続部を外す
脱圧を確認したら、サンプリングホースとボンベの接続部を外す。
2-16.①バルブを閉止、②バルブを開け、配管内を脱圧後に②バルブ閉止する
①バルブを閉止後①バルブと②バルブ間の残圧を脱圧する。
そうしないとサンプルしていないときに、外気温等により
配管内の圧力が上昇し、バルブや配管を破損する可能性がある。
2-17.ボンベのバルブに漏れがないことを確認する
最後にボンベバルブに漏れの無いことを確認し、品質管理部署、
ラボ、解析部署等にサンプルを送る。