#13 ガスサンプリング方法
ここではガスサンプルの方法について解説していく。
目次
1.ガスサンプリング方法
サンプリングとは検査や調査のために抜き取りを行い、見本を抜き出すことをいう。
製油所や化学工場では製品評価の為に内部流体を一部抜き出し、それを検査する。
現在では以下の「ガスクロマトグラフ」を用いて常時ガスの組成分析を行っているが、
古いプラントやバッチ装置では、いまだに風船を使ったガスサンプル採取が
行われているので、その操作を解説する。
2-1.サンプル名等を明確に表示する
現場では、複数の場所や、複数の流体を対象にサンプルを採取することもよくある。
その為、サンプル採取前には必ずサンプルボトルやサンプルバッグ(風船)、
シリンダーに札を付けたり、記名すること。
そうしないと、後から、どれがどのサンプルかわからなくなり、測定データ間違いや、誤ったサンプルを提出してしまうので、注意しよう。
2-2.①バルブを開ける
サンプル採取用のラインには以下のバルブが取り付けられている。
名前 | 目的 | |
①バルブ | メインバルブ | ラインの孤立用 |
②バルブ | 流量調整用ミニチュアバルブ | 流量調整用 |
先ず孤立バルブである①バルブを開けて、サンプル配管中にガスを張り込む。
2-3.②バルブを少し開け、端切りをする
②バルブを開けて、配管中の古い内部流体を、フレッシュな内部流体に置換する為に、
ガスを端きり用のガスバックにブローする。
もしガスが綺麗ならず、ブロー作業が長引いた場合は①バルブの
バルブ開度を大きくし、ブロー流量を増やすこと。
流量を増やすことで、液体の置換にかかる時間も短縮できる。
しかし、端切用のガスバッグがたくさん必要なので注意すること。
2-4.②バルブを閉める
端切りやブロー操作の完了確認は、内部流体の色味に異状はないか、
液体が無色透明の場合は、不純物が混ざっていないこと等を目視で確認し、
異常が無ければ、②バルブを閉める。
2-5.サンプル口に風船を差し込む
ブロー操作が完了したら、風船、またはサンプルバッグを
サンプルラインに取り付ける
2-6.ピンチコックを開ける
サンプルバッグ、風船をサンプルラインに取り付けたら
ピンチコックをゆっくりと開け、ガスを張り込む用意をする。
2-7.②バルブを少し開けて風船にガスを入れる
ピンチコックを開けたら、②バルブを少し開けて、サンプルバッグ、
風船にガスを少しずつ入れていく。
2-8.風船の60~70%位サンプリングする
サンプルバグの40%、70%、100%の状態の写真がある。
60~70%程度サンプルバッグにガスサンプルを採取する。
2-9.②バルブを閉める
60~70%程度サンプルバッグにガスサンプルを採取したら
②バルブを閉める。
2-10.ピンチコックを閉め風船を外す
②バルブを閉めたら、ピンチコックを閉めて風船、サンプルバッグを
取り外す。
②バルブを閉める前にピンチコックを閉めると、ホース部の圧力が上昇し
風船やサンプルバックが圧力で吹き飛ぶので、必ず②バルブを閉めてから
ピンチコックを閉めること。
2-11.①バルブを閉める
①バルブは最終的な孤立の為のバルブなので、②バルブを閉めた後は必ず①バルブも閉める。
2-12.②バルブを開けて脱圧後②バルブを閉める
2-11で①バルブを閉めた状態では、バルブ①、②管に流体と圧力が残っている。
そこで、②バルブを開けて脱圧後、②バルブを閉める。