#12 微量水分測定のための液体サンプリング方法
今回は微量水分を測定する為の、液体のサンプリング方法を解説していく。
目次
1-8.注射器を立てて、空気をシリコンゴム管に戻す(空気が混入した場合)
1-11.注射器のシリンダーを軽く引き容器が密閉されていることを確認する
1.微量水分測定の為のサンプリング方法
ここでは具体的な液体のサンプリング方法を作業手順に沿って解説していく。
基本的なサンプリングについて知りたい方はこちらをチェック↓
1-1.サンプル名を明確に表示する
現場では、複数の場所や、複数の流体を対象にサンプルを採取することもよくある。
その為、サンプル採取前には必ずサンプルボトルやサンプル瓶、注射器等に札を付けたり、記名すること。
そうしないと、後から、どれがどのサンプルかわからなくなり、測定データ間違いや、誤ったサンプルを提出してしまうので、注意しよう。
1-2.サンプラーにシリコンゴム管を取り付ける
まず、取り付け前に新品のシリコンゴム管を準備する。
その後①バルブ、②バルブが閉まっていることを確認して、
サンプラーにシリコンゴム管を取り付ける。
1-3.①バルブを開ける
①バルブを開けて②バルブにシート漏れがないことを確認する。
この時②バルブにシート漏れがある場合は、職長や上司に連絡して
バルを補修すること。
1-4.②バルブを少し開け、端切りをする
②バルブを開けて、配管中の古い内部流体を、フレッシュな内部流体に置換する為に、
ボンディングされた金属バケツまたはブローダウンドリップに端切り(ブロー)操作を行う。
もし液が綺麗ならず、ブロー作業が長引いた場合は①バルブの
バルブ開度を大きくし、ブロー流量を増やすこと。
流量を増やすことで、液体の置換にかかる時間も短縮できる。
1-5.注射器をシリコンゴム管に差し込む
出典:https://ja.aliexpress.com/item/1005001310053012.html
シリコンゴム管を準備したら、注射器をシリコンゴム管に差し込む。
この時、注射器(サンプル容器)は清浄であり、加熱乾燥したもので、
ゴム栓で針先をシールしたものを使用する。
1-6.注射器にサンプルをゆっくり吸い込む
注射器でサンプルを吸い込む前に、シリコンゴム管に液が
十分充満していることを確認する。
もしガスゾーンがあると、サンプルを採取した際にガスや不純物をサンプル容器内に
入れてしまう可能性があるからだ。
図のようにシリコンゴム管をU字に曲げておくと、管内が液で充満されやすくなる。
シリコンゴム管にガスが無いことを確認したら、注射器にサンプルをゆっくり吸い込む
1-7.空気が混入していないか確認する
サンプル採取中に注射器にガスが入ると、空気中の水分を巻き込んだことによる
水分データ値の上昇や、不純物の検出につながる。
ここでは、注射器内にガスがあるか無いかをしっかり確認すること
1-8.注射器を立てて、空気をシリコンゴム管に戻す(空気が混入した場合)
出典:https://knowledge.nurse-senka.jp/12964/
注射器にガスや、空気が混入した場合は、注射器を立てて、
シリンダーを少し押し込み、ガスや空気をシリコンゴム管に戻す。
1-9.サンプルを規定量採取する
ガスを巻き込んでいないまたは、注射器からガスを追い出したら、
シリンダーをゆっくりと引っ張って、サンプルを注射器に
採取する。
注射器のサイズによって異なるが、大体採取量は30~100cc程度である。
採取量をラボルームや品質管理部署に問い合わせてからサンプルを採取すること。
1-10.注射針を抜き、ゴム栓をする
サンプルを規定量採取したら、図のようなゴム栓を素早く、注射針の先に取り付ける。
1-11.注射器のシリンダーを軽く引き容器が密閉されていることを確認する
シリコンゴム栓を注射針の先端に取り付けた後、注射器のシリンダーを
軽く引き、容器が密閉されていることを確認する。
もしシリコンゴム栓で容器が密閉されていないとシリンダーを引いた際にガスを吸い込む。
後で、容器内へのガスの混入やサンプル流体が漏れ出す原因になるので
シリンダーを引いた際に少しでもガスを吸えたら、シリコンゴム栓を
取付なおそう。
1-12.②バルブを閉める
サンプル液を注射器に採取したら、②バルブを閉める。
なぜなら①バルブに比べて、②バルブはサイズが小さく
操作しやすいので②バルブを先に閉めること。
1-13.①バルブを閉める
液を採取したら、②バルブを閉める。
なぜなら①バルブに比べて、②バルブはサイズが小さく
操作しやすいので②バルブを先に閉めること。
1-14.②バルブを開けて脱液後、②バルブを閉める
1-13で①バルブを閉めた状態では、バルブ①、②管に流体と圧力が残っている。
そこで、②バルブを開けて脱液後、②バルブを閉める。
この操作はとても重要で、SM(スチレンモノマー)のように非常に重合しやすい油は
バルブ間に液を残していると、残液が重合し、サンプルラインとして機能しなくなる。
操作がは必ず脱液、脱圧を行うこと。