#2 バルブ操作の基本と順番

ここでは、バルブ操作の基本と操作手順(順番)を詳しく解説していく。

バルブ操作はプラントエンジニア、プラントオペレーターにとって

とても重要な操作である。

目次

  1. バルブとは?

  2. 代表的なバルブの種類
    ・ゲートバルブ
    ・グローブバルブ
    ・ボールバルブ
    ・バタフライバルブ

  3. 代表的なバルブの特性

  4. バルブの開閉操作の基本
    ・バルブを少し開ける or 閉める
    ・異常等が無いことを確認する
    ・規定開度まで開ける or 閉める
    ・効果の確認をする

  5. まとめ

 

 

1.バルブとは?

バルブは英語で「valve」と書き、日本語では「弁」という。主に現場ではバルブと言っている。

目的は配管中の気体や、液体の流量や圧力を調整する為にある

バルブにはコンピューターで制御するタイプのコントロールバルブ(自動弁)と現場で人によって操作されるマニュアルバルブ(現場型弁)がある。

今回この記事ではマニュアルバルブの操作について解説していく。

 

2.代表的なバルブの種類

一言でバルブと言っても数多くの種類のバルブが存在するが代表的なものは以下

・ゲートバルブ

・グローブバルブ

・ボールバルブ

・バタフライバルブ

 

バルブそれぞれ特性や使用目的がことのなるので、その辺はしっかりと理解したうえで操作を行うこと

 

3.代表的なバルブの特性

・ゲートバルブ

引用:https://kitz-product.com/service/ggc/gate-valve/

ゲートバルブは仕切弁ともいわれ基本的に全開、全閉のみで使用する。

系の孤立や先に述べたコントロールバルブや圧力計、流量計の孤立バルブとして用いられることが多い。

なぜなら図からわかる通り、ゲートバルブを50%開けて運用すると、流体がディスクに直接あたり損傷の原因になる。

なので、ゲートバルブは全開または全閉で使うこと。前回の状態だとステムがハンドルの中心から飛び出るのが特徴。

 

・グローブバルブ

引用:https://kitz-product.com/service/ggc/glove-valve/

グローブバルブはゲートバルブと違い、全開、全閉以外にも流量調整に用いることができる。

構造もゲートバルブとは大きく異なり、曲がりくねった管路を流体が通ることと、

水平に設置されたディスクを用いることで、流量調整に非常に富んだ構造になっている。

全開の状態ではステムは外に伸びるが、はハンドルの中心からステムが飛び出さないことが特徴である。

 

・ボールバルブ

引用:https://www.kitz.co.jp/reference/structure/ballvalve/

ボールバルブは名前の通り、弁体がボールの形をしている。

特徴としては、バルブを90°回すだけで全開全閉操作が可能

流路に弁体が残らないので、スラッジ等の多い流体に用いられることが多い。

また、ゲートバルブと同様に流量調整には向かない。

さらにバルブのサイズが大きくなると弁を開ける為に大きな力が必要になる。

 

・バタフライバルブ

引用:https://kitz-product.com/service/butterfly-ball/

バタフライバルブの特長は、コンパクトでシンプルな構造である。そのため比較的軽量で、狭いスペースでも使用できるメリットがある。しかし、流路に大きな弁体が残るため、スラッジの多い流体に使用するとつまりの原因になったり、全閉時にスラッジを噛みこんでパッシングすることがあるので選定の際には注意が必要だ。

 

4.バルブの開閉操作の基本

・バルブを少し開ける or 閉める

必ずバルブを開閉ときはいきなり開閉せず、少しずつバルブを開閉していく。

理由としては、少しずつ操作することでプロセスに与えるインパクトを最小限にする。

また、万が一誤操作した場合もパネルオペレーターや、フィールドオペレーターそのミスに気づいたときに影響が最小限になる。

・異常等が無いことを確認する

バルブを少し開閉した後、目的の流体やプロセスに自分が期待した影響が表れ始めていることを確認する。

このひと手間をすることで、誤操作をした場合、早急にかつ被害を最小限にすることができる。

また、バルブを開ける場合は配管の流れ音や手で配管を触て温度変化を感じる等、五感を使った確認をすることで異常がないことを確認する。

・規定開度まで開ける or 閉める

事前の確認で、自分が操作しているバルブが間違いでないことを確認したら、ゆっくり規定開度まで開けていく。

例えば遠心ポンプの吐出弁を勢いよく開けると一時的にポンプの吐出圧が低下しポンプのキャビテーションにつながる。

最悪の場合プラントの停止等になる可能性があるので、操作はゆっくり慎重に行う。

・効果の確認をする

事前確認はしているものの、最終的に規定開度に到達したら、バルブ操作の目的に立ち返り、その目的が達成され自分の操作から効果が得られたかを確認する。

例えば流量調整の為にバルブを操作した場合は流量が自分の目標とする流量になったか確認すること。

温度調整の場合にバルブを操作した場合は温度の変化は遅れてやってくるので、慎重かつゆっくりと少しずつバルブの開度を調整すること。

 

5.まとめ

今回はオペレーターの基本ともいえるバルブの開閉について解説した。

バルブ開閉操作はプラントオペレーターにとってごく当たり前の操作だが、ミスオペレーションにより装置が全停止するというような可能性も十分にある。

そういうことをよく考えながら慎重にバルブ操作を行うこと。

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